十日町地域退職者連合 会長

 島田 福男

 今年で丁度満70歳を迎えた。

 10年前、末っ子の長男が大学を卒業と同時に、郵便局の勤続40年の区切りを迎えたところで退職した。

 第二の人生を「これから何をしようか」なんて考えた記憶もない。ただ少しばかり百姓だけは、先祖代々のものだから継続しようとは思っていた。それは時間に追われることなくのんびりと。

 しかし、現実はそうはいかなかった。集落内の友達から「稲の苗作りを始めないか」と声がかかった。暇と欲が絡んで承諾をした。最初は1,000枚(約5ヘクタール分)位の苗箱だったが、今は小規模農家から依頼されて、3,000枚にもなってしまった。苗が根を張って、茎が太く15cm位がちょうど良いとされている。

 

 毎年そこを目標に準備するが、4月5月の天候に左右されて、今まで満足できる苗が、一度もなく10年が過ぎた。それでも秋、黄金色で頭を垂れる稲を見ると満足してしまう。植物は強いものだとつくづく思う。

 退職して10年、一人で百姓を続けることは無理と感じるようになってきた。集落内に現役を退いて、先祖からの百姓を継続するという仲間が増えてきた。そんな仲間と「集落営農という組織を作って、皆で頑張って何とかこの農地を守り、そして次世代に繋げたい。」今はそんな気持ちでいっぱいだ。

 明日も一杯飲みながら、皆の話が聞けるのが楽しみだ。