新潟県退職者連合幹事

(JR総連OB会)

山﨑 次男

 ロシアによるウクライナへの侵攻が始まってから4ヶ月になろうとしています。原油高や食料品価格の上昇、物資の不足など、私たちの生活に影響が出て来ていることを日々実感しています。
また、多くのウクライナ市民が危険に晒され、子供連れで避難する人々、犠牲になっている人々の姿に胸が痛みます。ロシアによる武力行使は到底容認出来るものではありません。直ちに停止するべきです。
 
 ところで、ロシアは何故、軍事侵攻に至ったのか、その背景で何が起きているのかの本質を見極める必要があります。
それは、東方拡大を続けるNATO(北大西洋条約機構)が、ロシアにとって、大きな脅威となっている点にあります。NATOは、旧ソ連の東側諸国に対抗するために作られた軍事同盟で、発足時の加盟国はアメリカなど12ヶ国でありましたが、その後のソ連解体に伴い東側諸国は相次いでNATOに加盟し、現在は30ヶ国にまで拡大しています。
ロシアとしては、旧ソ連の国々が次々にNATOに加盟し、強大な軍事力でロシアに近付きつつある現状を喰いとめたい。そこで、緩衝地帯とも云えるウクライナに対し、「NATOへの不加盟」を再三に亘り要求していたとの事。しかし、ウクライナがNATOへの加盟方針を鮮明にした事で、ロシアは軍事侵攻に踏み切ったのでは?。と見ることが出来ます。
 
 ロシアによるウクライナ侵攻は、ウクライナが中立の立場を示すのか、ロシア軍が戦費や経済制裁の影響で撤退するのか、どちらかが手を引かなければ終結しそうにありません。ウクライナの子供たちや市民、両国軍人の命が奪われている現実を見れば、「どちらかの国の論理が正しい」という事にはなりません。
 
 戦争は権力者や支配者の利益のために行われる事、そして犠牲になるのはいつも市民・労働者である事を過去の戦争から学んで来ました。私たちは、「テロにも戦争にも反対」・「武力行使と侵攻にも反対」です。そして、日本政府のこの戦争に乗じた「憲法9条の改悪と防衛予算の増大」にも反対です。一刻も早い戦争の終結に向けて、取り組みを強めるものです。
そのためにも当面する7月の参議院選挙を勝利しましょう。