• 日 時:2021年11月24日(水)13時30分~
  • 会 場:新潟県庁「議会庁舎3階」
  • 出 席:
    • ≪県退連≫ 樋口県議、斎藤、山田、眞田、筒井
    • ≪県福祉保健部≫ 宮澤副部長、中野総務課長、菊池地域医療政策課長、伊藤福祉保健課長

 

県民の皆さんが引き続き安心して社会生活を過ごされるよう、また、特に高齢者の方々が抱えている不安を払拭するために、新潟県に対して医療・介護保険制度等にかかわる3項目を要請し、回答を求めてきた。

 

*退職者連合要請事項

要請その1 医療計画・医療提供体制

厚労省から公立・公的病院の再編・統合について、要請されているところであると存じますが、今後の新潟県の具体的医療体制案を県民に対して丁寧に説明されたい。

また、中山間地域における医療体制の確保にむけ万全を期していただきたい。

県回答1(地域医療政策 菊池課長)

地域医療構想に基づいた地域の医療再編の課題については、人口構造が大きく変化し、高齢化がどんどん進んで行くなか、現状では入院医療の約6割が75歳以上になっている。今後の医療提供体制は急性期、回復期、慢性期など、それぞれを集約したり、あるいは介護との連携で役割分担をするなど、人口構造に合わせた体制に変えていく。これが医療再編の地域医療構想の考え方である。そういった中で、医療ニーズがどういうふうに変化していくか、それに合わせて地域の医療機関が今どういう役割を担って、どういうふうに変化していくのか、まずは医療関係者を中心に議論を行っている。議論が熟した段階でその内容を住民の方々にわかりやすく説明をし、どういうふうに地域の医療提供体制が変わっていくのか、どういうふうな形で病院なり、それぞれに関わっていただくのか丁寧に説明していく必要があると考えている。

中山間地域における医療体制の確保については、いろんな状況の中で住まれている県民の皆さんに配慮した医療体制の確保に努めている。僻地診療所であるとか、あるいは巡回診療をいう僻地医療拠点病院などがある。引き続き中山間地域における医療体制の確保に向けた取り組みをすすめてもらいたいと考えており、医療技術などICT技術もすすんでおり、その医療アクセスを補完するものも取り入れながら、医療提供体制を構築していきたいと考えている。

 

要請その2 在宅医療・介護体制の確立

介護は高齢者保健福祉計画、医療は地域保健医療計画とそれぞれ計画が定められているが、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築・充実に向け、両計画との整合性を確保しながら、県として取り組みの充実を図っていただきたい。

県回答2(高齢福祉保健課 伊藤課長)

地域包括ケアシステムの構築ということで、医療介護、介護予防生活支援、一体となり効果的に提供できる仕組みについては、市町村が切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の連携と整備できるよう、県が作っている高齢者福祉計画、医療側の方で作っている地域保健医療計画との整合性を十分加工しながら展開している。

その上で地域の医師会、在宅の医療推進センター、関係団体などが連携協働している。特に人材の確保、育成という部分に力を入れ、現状を確保していくとともに、地域の医療機関と介護関係者が必要な情報を共有できる仕組み作りを、県としては支援している。

 

要請その3 新型コロナウィルス感染症対策と公衆衛生

コロナ禍で全国的には保健所・感染症病床等の脆弱化が指摘されました。

この間の、新潟県における取り組みについて明らかにされるとともに、今後の感染症対策に備え、保健所等の組織体制の充実を図ること。

県回答3(福祉保健総務 中野課長)

本県における対応は、全庁的な対応というなかで、まず県庁に医療調整本部を設置した。保健所の役割としては、主に積極的な疫学調査という対応をやっている。

保健所に関して申し上げますと、そうした業務の執行のために職員の皆さんは大変苦労をしていた。体制を強化するため保健師を会計年度任用職員等も含め、計画的に採用してきた。それから保健所の体制は、様々な仕事をやっている部署もあるが、保健所内の各部を横断して、保健所全体で対応できるように体制を作ること。それから保健師さんが基本的に不足をしてくるということがあった。それは患者さんがその地域で急激に増えることによって仕事の量が増えてしまい、そういった臨時的な仕事の増加に対応するためには、保健所の保健師を、地域振興局の保健所同士で相互派遣したり、管内の市町村から保健師の応援で対応していただいたり、そういうことを組み合わせて感染の拡大・縮小に合わせて、機動的に取り組むことをやってきた。

今後の感染症の対応については患者数とか、その感染状況によって大きく業務量が変わってくる。今後は、あまり感染者が出ていない状況、非常に増えてきて警報が出るような状況など、様々な状況が考えられる。そうした局面ごとの体制をどういうふうに整備していくのか、それぞれに必要な応援体制をどう取っていくかということについて検討を行った。そうやって体制をとっていくのと合わせて、保健師さんについても更なる計画を進めていくことを考えている。それによって感染症対策の充実を図っていきたい。

 

*意見交換

退職者連合1

厚生省は公立・公的病院の再編というのを打ち出して以来、特に中山間地では、公立・公的病院がなくなるのではないかと危惧しています。七つの圏域でこれから議論されていくと思うんですけども、できるだけ住民に対して、説明を早く、そして安心感を与えて欲しい。また、そのような体制作りをお願いしたいなというのが一点です。

県見解1

公立・公的病院について、国から再検証要請対象病院ということで、424病院、あくまで一定の条件のもとに抽出した病院であり、そのあり方については、各医療圏の調整会議などで十分そのあり方を議論していきます。

公立・公的と民間病院の役割分担を考えたときには、民間病院でやれるものは民間病院で、公立・公的については民間病院でやれないところを補完するっていうような基本的なベースになる考え方がある。そういう中でまずは公立公的が、あり方を検証するというような流れの中で出てきた。と、いうふうに認識をしておりまして、新潟は22病院でしたけども、全てなくすっていうような考え方で国がいるというふう認識はしておりません。各圏域で、十分議論した上で方向性を出すというふうに考えております。

 

退職者連合2

将来医師になる、研修医の皆さんが逃げないように環境整備等をしていただいて、1人でも多く医師の確保を、お願いをしたい。

県見解2

研修医のお話が出ましたけど120人ということとほかにもいろいろ検討をしています。地域枠ということで、新潟大学にその地域枠ということで設けています。

私立の病院でも、3ヶ所を増やさせていただいて拡充したりして、大学、地域枠、医師を目指す医学部の一番根っこところを、広げるというのも重要なことなので、地域枠の拡充ということもさせていただいております。若い臨床研修医さんが来たときに、受け入れ側の病院の、体制も拡充する必要があると考えています。

 

退職者連合3

全国的にいうと大阪から最初に在宅で亡くなったニュースが流れて、これがこの全国に広がっていると、新潟にあったのか、ないのかっていうのはちょっとわかりませんけども、それでコロナの影響で、病院に入院できない。ガンに罹って、病院に入院したけれども手術が伸びたり、あるいは入院しなければいけない人たちが、入院できない。こういった状況を早急に改善できすようお願いします。

県見解3

お医者さんの医療体制が現在、脆弱だっていうところがありました。県医療調整本部で、病院に入れるかとか、宿泊なのか施設なのかという判断を一元的にしており、そこにお医者さんを詰めていただいてその割り振りなどもやっていただいております。あと入院のホテル療養ときも、医師会さんと協力して、あと看護師協会と連絡体制とって、経過観察をするというような体制を整えてきました。他県に劣らない対応をしてきたと思いますし、在宅で亡くなった方はおりませんでした。一方で9月お盆過ぎに週800人みたいな形でなったときにやっぱりですね、多少一般医療への手術のですね、作業みたいなことをさせざるを得なかったというところもあります。

 

樋口県議

丁寧な説明のところで、うちの地域の病院どうなるんだろうねっていうのがやはり皆さん知りたい。春にまとめていただいた「グランドデザイン」の範囲だと思うんですが、情報発信する機会をですね、作っていただけると、県民の皆さんも安心するのかなと思って、ご検討いただけないかと思います。

県見解

はい。時期を見て丁寧な説明をしていきたいと思います。

 

退職者連合4

新潟県が一番の最大の課題って、医師数の少なさ。県外の大学に新潟県枠を作っていただいたのはすごくありがたいことだと思っています。今後も拡充していただき、医師の確保と同時に偏在に関しての対応を早期に対応していただきたいのでよろしくお願いいたします。

県見解4

相当程度努力したのですけど、国の制度みたいなところもあって、やっぱり都会の方にですね、一定の抑制というかシーリングみたいにかけて、地方にも医師の配置をと思っています。いろいろ要望活動をしているところではございますが、我々として、様々な計画をたてて、難しい面はあるというふうに思われますが努力していきたいと思います。ありがとうございました。

 

以上