新潟県退職者連合 顧問
早川 武男
連合新潟は10月28日に第32回年次大会を開いた。冒頭、牧野会長は、
- 円安が進み、かつ格差と貧困をなくすため、人への投資と大幅な賃上げが必要だ。
- 「組織拡大プラン2030」に則り組織拡大に取り組んだが、現在の組織人員は100,816名。来年は10万名を割る恐れがある。純増にむけ頑張りあいたい。
- 1年間選挙に明け暮れた。コロナ禍で職場の組合員との疎通がうまくいかなかったところもある。日常的に組合員の参加を促す営みが必要だ。エネルギーなどの物価高を勘案すると来年の統一地方選は議員数増にむけた最大のチャンスだ。
―――などと挨拶された。
その後、活動報告と23年度の活動計画の質疑が行われた。各産別との普段のコミュニケーションが丁寧に行われていることもあり、数産別から質問等があったものの原案が満場一致で決定された。
連合新潟の運営は安定している。引き続き、労働者をめぐる次のような課題についても、議論と実践の牽引車的役割を担って欲しい。
1.成長分野への移動政策
岸田首相は所信表明演説で「成長分野に移動するための学び直し(リスキリング)支援や、年功制の職能給から職務給への移行など、企業間、産業間での労働移動円滑化に向けた指針を取りまとめる」と述べられた。
日本経済の力量の低下は目を覆うばかりだ。成長分野への移動政策は重要である。
だが、具体的展開のなかでは、かつての「労働の規制緩和」のように、労働者が粗末に扱われることのないよう監視と手立てが必要である――雇用が不安定で低賃金の非正規労働者が大量に生み出された――。(私は)最低賃金の大幅な引き上げと、労働者を守るための労働法制をきちんとすることが重要と思う。経営者の意識の向上も必須である。
2.健康保険料などの負担
健康保険料や介護保険料の引き上げと制度見直しなど、社会保障制度の改悪案がメディアを賑わしている。要因は世界に類のない少子高齢化であり、手を拱いてきた政治の不作為だ。
対策は、市井の人々の保険料・利用料の引上げなどが当たり前のように語られているが、賃上げが思うように進まない現役世代と、年金が減る高齢者のさらなる負担は容認し難い。(私は)当面の施策として、例えば、健康保険料であれば賦課限度額の引き上げに力を入れるべきと思う。資本主義経済の中で恩恵を受けている高額所得者に、それなりの負担を要請すべきだ――高額所得者は金融所得が大きく株による利益は20%の税率でしかない――。
以 上