新潟県退職者連合 幹事(農林水産省新潟県退職者の会 会長) 小栁 保男

 

 農林水産省新潟県退職者の会の役員になり、早や十数年となった。この間、何を具体的に実践したかと云えば、記録に残すほどの事はほとんどないと思われる。しかし県退職者連合の幹事になってからの7~8年は「社会福祉政策」と云う分野で多くの活動を知ることが出来ました。

 私たちが退職者連合に結集して要求する、“年金・介護・医療”など17項目に及んでいます。このことを地域の住民として国・自治体に申し入れ実現させることを目ざしています。

 私は地域でも“まちづくり協議会”の会長として活動しています。この組織は市の補助金と地もと一部企業からの寄付金で、その活動内容は‟コミュニティ活動”を通して、思いやりの心を育て、連帯感を深め、住み良い環境づくりと明るく元気な特性を生かした“まちづくり”を推進し、合わせて自治意識の高揚を図り住民と行政との協働関係の構築を目的としています。

 この活動も勤めを退職したあと十数年続けているのです。新潟県退職者連合幹事会で勉強した多くの政策の中から、ここ数年程度で市や社会福祉協議会から具体的な形で“まちづくり協議会”も取り組んでほしいと強い要請が来るのです。退職者連合の要求取り組みと地域での実際の動きを2つほど報告します。

1、地域包括ケアネットワーク

 “地域包括ケアネットワーク(地域包括ケアシステム)”の項では国から政策が下ろされたのは早いのですが、地域では市を始め、まるで具体性のあるものは見えません。とにかく地域の農村地帯なんかでは先ず医者がいません。昭和20年代30・40年代位までは医院はあったように思いますが今はいません。

 町場からは数キロあり医者が戸別に巡回して来るとは思われません。一人暮らしになりその家で介護を受けられるように、介護士・医師・看護師などを配置してと云う“地域包括ケアネットワーク”はどう構築して行くのか、全く見えていません。

 農林水産省退職者の会本部総会でも日本退職者連合の要求項目としてあるので問題提起してみましたが、あまり議論になりませんでした。あまり良く知られていないようにも感じました。このように日本退職者連合からの問題提起、県退職者連合の幹事、地域の活動家の連携がどうしたらうまく行くのか‟一本すじ”になれるのか、私たちにも問題山積のようです。

2、地域包括支援センター

 “今一つ”“地域包括支援センター”の活動があります。この組織は市の依頼を受け、地域の社会福祉法人○○福祉会の職員の中からチームを作り、地域を分担して活動がされています。その中で‟地域ケア会議”と云うのがあります。それは地域包括支援センターの職員、介護支援専門員、医療機関、介護サービス事業者などの専門職と、自治会長や民生委員、まち協役員などの市民に参加してもらい、介護が必要な状態になっても、住み慣れた地域で暮らして行けるように、地域の問題点や解決方法などを話し合うものです。一部にはもちろん介護に結び付くものはありますが、多くの中味はまだまだ話しあって考えている程度であり、こんな会議・話しあいを年2~3回やっている程度です。

 日本退職者連合に結集される私たちの諸要求は現場でどう実現させて完成させて行くか、まだまだ先は永いです。
‟勝手に法律や公文書の解釈を変え”得意の‟閣議決定”の連発で自分勝手の政治をやっている‟安倍政権”では要求の解決にはなりません。私たちの要求に理解を示す政党や議員による政権を作れるよう頑張りましょう。