十日町地域退職者連合会長 出口 光男
初期の人類の起源は一説によると1,000万年前である。その後、進化を重ねて現在に至っている。この間の1,000万年をあえて二期に区切ると、縄文時代後期あたりが、その分岐点になる(私見)。前半は自然との共存の時代であり、後半は自然との闘いの時代である。
自然との共存の時代は、人間の生存そのものが自然であり、縄文時代になると自然との共存を実現していた。縄文中期に盛んに作られていた火焔型土器は、自然への感謝の気持ちを最大限に表現した縄文土器であったと思われる。この土器は煮炊きをするにはどう見ても効率の悪い土器である。火焔型土器が盛んに作られていた5,000年ほど前は、世界的には文明が花開き始めたころである。
神が現れて自然を作り、人間は神に感謝し、神の許しを得て自然を変えるという文明である。人間の自然に対する宣戦布告である。このとき、神に近い人間と庶民との間に格差が生まれ、DNAを操作し、原子核を分裂・融合させるといういわば”神の領域にまで手を加えるようになってしまった。
今、様々な面から、私たちの生息しているこの地球をみてみると、まさに人類の終焉が近づいていると思わざるを得ない。80億人にも上る人間の格差は、信じられないほど大きくなっている。自由という名のもとに、ミサイル等近代兵器により人を殺す人々と、殺されていく人々と・・・・・