「へらぶな釣り」との出会い
成田 信行(中越地域退職者連合 副会長)
出会いは、長男が小学生の2年生のときであった。突然「魚釣りに連れてって!」と言われ、あわててしまった。
私の育ちはビルの谷間(かな?)、魚釣りなんて全く縁のない環境で生まれ育った。さあて困ったどうしょう・・・・。
ちょうどそのとき、組合のへらぶな釣りサークル「ひょうたん」がすでに結成されていた。「よし、ここで教えてもらおう」と頼み込み、会から誘われた「月例会」に飛び入り参加。
これがとんでもないことになってしまった。人生が変わったのだ。
事前に、竿と仕掛けと餌の準備を教えてもらい、例会当日、いざ越路の浦の池に。
結果はひどいもの。ほかのメンバーの人たちは「来たー、良い型だ・・・」とか言いながら竿を絞っている。
しかし、私のウキは全く動かず。沈黙したまま。それも一日中。雨の降る中、散々な一日であった。
悔しかった。とにかく悔しかった。ほかの人が釣れて、どうして自分だけが釣れないのだ!そのとき心に誓った。練習をして、きっと釣れるようになってみせるぞ!
今になって考えてみれば、素人が突然竿を出して釣れるなんて、へらぶな釣りはそんな甘いものではなかったのだ。
そんなことで・・・それから完全にへらぶな釣りにのめりこむことになってしまった。
まてよ?それから一度でも長男を釣りに連れて行ったんだっけ?全く記憶に残っていない。
自分だけがへらぶな釣りにのめり込むという。自分勝手な結果だけが残ってしまった。
それ以来よくまあ釣り場に通った。いろいろな釣り場にも行った。
当時は忙しい仕事や、任務が沢山あって釣りどころでなかった。それでも少しでも時間があれば車に「竿ケース・バック・その他必要な道具いろいろ(またこれが沢山の道具が必要で・・・ほんと大変)突っ込んで飛んでいった。」
そして20数年。今最も人生で充実した「趣味」を得ることができた。とにかくこんな楽しい時間はほかにはない。
へらぶなは自然の中の生き物。当日の天候・エサの配合・水の多少・タッチで結果は大きく変わる。デリケートで気難しい。でも、そんな中で竿を絞ったときの喜びは格別。
今、気持ちは充実している。これからの長い人生。明るく楽しく元気でへらぶなと戯れ暮らしていきたい。こんな気持ちでいられることに感謝・感謝。