新潟県退職者連合 幹事
(越後交通高退会 会長)
櫻井 勝美
この経年劣化という言葉は、不動産用語として用いられその使い方は、時が経つにつれて性能や機能が低下すること。時間の経過により品質が低下すること。長く使っている物、長期間保存していた物の状態が悪くなってしまうことを経年劣化と表現することがあります。
さて、私自身定年後も人間ドックは毎年欠かさずに受診し、それなりに健康に留意してきたつもりでしたが、最近の検診ではあちらこちらで再検診、要精密検査の通知をいただくことが多くなりました。
誰もが年齢を重ねることによりこうした現象は有り得ると思い、人間も「経年劣化」と言えるのかと考えてみました。
確かに若いころに比べ、人間としての性能や機能は低下し、身体の状態が悪くなってきていることも事実です。年齢を重ねることによりスタミナや体力は若いひとには敵わないかもしれませんが、技術は歳を重ねるにつれて向上します。世の中にある書物、教材、WEB上にある情報はすべて過去に作られたもので、人は過去の出来事から物事を学んできました、
そうです!人間は造られたものと違い学習能力を持っているのです。
また、所説はありますが、私たちはサルから進化して現在に至っているといわれていますが、人間だけが命を維持するための治癒力を長い年月をかけて進化させ、個人差はありますが極めて悪質な病でない限り50歳位までは多少の病は少し養生すれば治る様にプログラミングされてきたという学者先生もいます。
そうです!人間は造られたものと違い自分での治癒能力を持っているのです。
そんなことを考えたとき、と、物と人間は根本的に大きな違いが(そもそも人間を物に例えること事態が邪道なのかもしれませんし、例えてはいけない事かも知れませんが)あり、人間に「経年劣化」や「定年劣化」と言う言葉は当てはまらないのではないかと思います。
人間は20歳くらいをピークにして、緩やかに体力が衰えていくと考えられています。
アスリートで考えれば30代前半はベテラン、中盤~後半に差し掛かればもうロートルと考えられています。ごく稀に、イチローやカズのような例外はいますけども。
みなさんのなかにも「最近お酒に弱くなった」「眠くなる時間が早くなった」「階段の上り下りが辛い」「太りやすくなった」「視力が落ちた」など、日常の生活のなかから体力の衰えを如実に感じる機会が増えてきた、なんて方もいらっしゃるかと思います。
「昔はよかった」と、失ってしまったものに未練を残さずに、今あるもの、そしてこれから得ることができるものを大切にし、かっこいいおじいさん、おばあさんになれるよう、お洒落に歳をとり続けたいものですね。