佐渡地域退職者連合 会長
本間 聡
退職から、早いもので3年が過ぎようとしていますが、まさか、令和2年がこんなウイルスとの闘いの年になるとは思ってもいませんでした。
中国武漢で発生した新型コロナウイルスは、瞬く間に世界同時感染となり、医療崩壊や経済破綻に繋がりかねない事態になっています。しかし、最も深刻なことは人々の心にネガティブな感情が生まれていることにあると感じています。
このウイルスを恐れるあまり、感染者や医療従事者、その家族にもいわれのない差別や偏見を生み、匿名性を背景とした誹謗中傷や名誉や信用の棄損が増加していることにこの社会のブラックさが顕著に出ているように思えて仕方がありません。
「ウイルス感染症」はそもそも「災害」であるといわれています。近年、頻繁に起きている水害や地震の被災者や災害復旧関係者に対してこのような誹謗中傷があっただろうかと考えてみると、今年の3月で10年が経つ「東日本大震災」の際に、原発事故から非難する方々が避難先で同様な扱いを受けたことが脳裏に浮かびました。
このことも、目に見えない放射線への恐れが起因しているものとされ、非常に心に痛むものでした。
何年続くか分からないこのコロナ禍社会で私たちができることは、心をネガティブからポジティブに転換して身を守ること、そしてモラルをもって他人を思いやることではないかと思う今日この頃です。