魚沼地域退職者連合 会長

長田 良治

 9月14日に新に宿区文化センターホールで開催された全国高齢者集会に参加してきました。コロナ禍による二回の中止の後、三年ぶりに全国から仲間が一堂に会して開催された集会で、規模としては約五百名規模。ホールのキャパシティーと椅子間隔を空けるコロナ対策の関係上から、実際はそれより少な目な印象でしたが、スタッフ・アトラクションなど関係者を含めると予定した規模と思われます。詳細な内容については主催者側のネット配信等に譲るとして、個人的に抱いた感想などについて記してみます。

 

 

人見会長あいさつ

 

 開幕は創作和太鼓チーム「暁鼓游」による和太鼓の演奏から始まる。その際に同魚沼地域から参加したS氏と交わした会話。(彼とは同郷で小学校から高校卒業迄クラス違いは多かったが同級生。どうした因縁か同じく県職員として働き、労組活動も地域で共にした。退職後の現在も魚沼地域退職者連合の幹事役員として活動している間柄)

S氏「太鼓っていいものだな。人間、力を出し切るには鼓舞し鼓舞される関係が重要だ。

 日本人は本来こう云う性向があり、こういう在り方があってこそ本物になれる」自分「成程そうくるか、そうした捉え方もあるのか、確かに太鼓の音を聞くと何か心の底に響くものがあって、力が湧き上がる感じがしていた。そうかも」ふと、よく集会冒頭やデモの出発時と戦国武士の出陣によく太鼓が持ち出されるが、共通点は何だろうかの疑問が湧く。

 しばし黙考。勇んで出発するためには鼓舞が必要と強引に結び付ける。それなら太鼓が叩かれるに理由があると勝手に納得。後日の気付きではあるが、太鼓と鼓舞どちらにも『鼓』という字が当てられている。因果関係は明らかで、昔から戦前の出陣に太鼓はつきもので、武将たちの士気を大いに高めたことであろう。それで合点がいく。

30代から70代のメンバー構成です

 

 今回は集会後のデモ行進は予定されていなかった。今まで行われていたがコロナ禍を考慮してのことか、この点残念ではあった。一方、安堵もした。(行進距離にもよるが年齢のせいで情けなくも最後まで歩けるか自信がない)高齢者組織も今後さらに高齢化が進むと予想する。参加者の若返り化などの対応策をとらなければ,デモ行進も先行き困難になりかねないと危惧をする。

 集会では二つの講演があった。一つは、大学教授による社会保障と税や経済に関するもの。自分的には内容を理解し消化する力量がなかったので、後日資料を読み返し理解を深めることにしたい。

 もう一つは、俳優杉良太郎さんによるもの。タレントらしく多彩な能力の持主との印象。タレントとは職業の一種と理解しがちだが本来の意味は「才能、才能がある人」であり、文字通り才能のある方と感心した。俳優らしく口調が明瞭で話し方が上手い。笑わせるツボも心得ている。本人は十代の頃からボランテア活動で刑務所訪問を続けており、話の内容は興味をそそるものであった。(昔の刑務所の飯は本当に臭かった。今はシャバと同じで変わるところはない。昔コメと麦の割合は3対7、現在は7対3と逆転している。犯罪に職業差別は無い、どんな立派な職種、立場でも犯罪は起こす。オレオレ詐欺を働く側=プロ集団、自分は絶対に引っ掛からないという人=素人で、力の差は歴然。等々)

講演する杉良太郎氏

団結頑張ろうで集会終了しました。

 

 集会終了後、参加者四名で新宿にて懇親のひと時を設けた。その中で安倍元総理の国葬の件が話題にのぼる。歴代最長総理在任期間を有する政治家の衝撃的な死に対し、国民の受けたショックは大きかった。かといって国葬には様々な問題点や意見があり、賛否は分かれる。法的根拠や決定過程も不明瞭であり世論調査結果も半数を超えていないようだ。いずれにせよ岸田総理は圧倒的国民の意思と了承をもとに判断・決定して欲しかった。「検討するが何もしない」岸田総理としては今回決断が早かった。今では内心早まったと悔やんでいるのではないか。自分は、関心が薄く正直強い主張はない。退職者連合組織の立場から云えば国葬反対の姿勢は理に適う。がしかし心情的にはどこかに引っ掛かるものがある。

 懇談の席でも話したが、日本社会には村八分という事象があって、残る二分の中に火事と葬式への対応は除外されると暗黙的な了解が成立していると思っている(普段意識の底流に潜み表出はしない)。表面だけでは、実体に迫れずパフォーマンスをするに過ぎないのではと感じることがしばしばである。

 最後に、我々の抱える諸課題に関しての意見。我々の活動は日本人の形成意識の深層部にまで踏み込み、それを包含する形で対応をしていく必要があると考える。そうしないと国民の共感を得て、支持基盤拡大に繋がらないのではないか。歳を重ねるにつれこの想いは強くなってくる。

 以上、四つのままに(視たまま・聴いたまま・話したまま・想っているままに)記してみました。