夏の花火に想う

皆藤 充(新潟県労働金庫退職者の会)

 新潟県労働金庫退職者の会は、昨秋「労金七星会」を改称した会で、会員は95人程です。 七星会は、65年前の昭和27年に新潟労金が発足の際、7人の職員でスタートしたことに由 来して命名したものです。

 最初から個人的な話ですが、私は長岡に生れ4歳まで住み、長岡空襲で家が類焼後柏崎で育ちました。若い時、「ぎおん柏崎まつり」に鵜川河口や海岸であがる、海上海中花火の音と光を浜に寝て楽しんでいました。「ぎおん」は、海近くの八坂神社が由来と思います。このお祭りでの花火大会は、家内安全や五穀豊積などを神に祈願するものです。 一方で、長岡花火大会には、空襲犠牲者の御霊の鎮魂と長岡の再起、並びに恒久平和を願う意義が強い。近年、中越地震・中越沖地震から復興する意義が付加されてきた。 従って、主観ですが、長岡の花火はお祭りさわぎの気持ちで観賞してはいけない。今も花火大会の最初に、「白菊」の花火が毎年あがっています。これを見て、本当の意義を心得ているさまが伝わり、敬意と感謝をもってテレビ画面などを見ています。今では、「川の花火」とか「海の花火」と騒がれていますが、願うことや趣旨が相当異なっています。 私は、長岡空襲で住む家がなくなり、戦後は厳しい生活を強いられました。それでも、喜寿を迎えるまでに生きてこれたのは、多くの犠牲をだしながらも、その後、平和な日本が続いたからです。

 こんにち、国際的に、紛争・難民・虐待などが多く報じられています。庶民の幸せの基盤は、なんと言っても平和な社会が絶対条件と、自分の体験からつくづく実感しています。 ほんの少し戦争被害にあった私は、夏空に美しく咲く花火を見て、家内安全や商売繁盛 けでなく世界平和や心の清寂も願っているのです。