社会保障制度の安定を願っています

新潟県退職者連合 幹事(基幹労連新潟県本部退職者の会) 眞田 守

 

 ラグビーワールドカップは日本チームの大奮闘もあって、おおいに盛り上がりをみせた。ルールも知らずそれほど興味もなかった私も「にわかファン」の一人となりテレビの前でビールを飲みながら楽しく応援させてもらった。来年は東京オリンピック・パラリンピックが開催される。世界各国から多くの訪日客が訪れ、競技観戦・日本各地で観光を楽しまれると思う。猛暑のなか会場は混雑も予想されるが各競技の熱戦に期待したい。また、訪日客には観光等で日本の伝統文化を少しでも知ってもらうことを願っている。

 さて、消費税が8%から10%に引き上げられ1ヵ月が経過した。軽減税率やポイント還元など新しい制度も導入され、増税直後は少し混乱もあるのではと思っていたが、混乱もなく概ね順調にスタートしたと思う。今回の増税で感じていることを書いてみた。

 一つはポイント還元制度である。ポイント還元導入の理由はキャッシュレスの定着と消費落ち込み対策と聞く。一度もポイント還元を受けたこともない私には全く無縁の制度である。来年6月までの期限付き制度であるが、本当に必要な制度であったのか疑問を感じる。お客によってはポイント還元されるお店を探して利用される方もおられるようだが、様々な事情でポイント還元できないお店にとっては甚だ迷惑な話しである。ポイント還元の財源は税金も投入され1日平均10億円越と想定を上回っていると聞くが、キャッシュレスの定着と消費落ち込み対策に繋がったか疑問を感じる。無駄な税金が使われているのではないか。

 二つは軽減税率である。軽減税率導入の理由は「低所得者への経済的な配慮」としている。今回の消費税10%の引き上げは「社会保障制度の安定と充実」が目的ではないのか。マスコミ報道では将来的にも少子高齢化が進み社会保障費も増加していくとの報道がされている。現状の見通しから将来の社会保障制度にとても不安を感じている。「低所得者への経済的な配慮」については別の支援策で対応し、今回増税分の財源はしっかり確保して「社会保障制度の安定と充実」を最優先に取り組むべきである。今回増税した税収の金額と使い道は明確に説明してほしい。社会保障制度の持続可能な財源確保に向けた議論も今後あるやに聞くだけに、税の使い方について理解が深まる説明もお願いしたい。