新潟県内での地方銀行の経営統合について
皆藤 充(幹事 労働金庫退職者の会)
2018年10月1日、県内で預金量1位2位の地方銀行「第四銀行」と「北越銀行」が経営統合し、2年3か月後には合併する。合併後3年くらいをかけて、隣接する約50の店舗を統合する予定。
店舗数約200、預金量7兆円超、貸出5兆円超、行員3600人超のメガバンクの誕生です。両行とも明治時代にスタートした老舗で、県内では長い間熾烈な競争を繰り返してきたライバルでした。この統合は、新潟県金融界経済界として、重大ニュースです。
(預金量3位は、大光銀行で預金1兆4000億円・貸出1兆300億円、店舗数 70、行員900人。これに続くのは労金です。~郵貯・農協除く。数字はいずれも概数です。)
第四北越は、店舗やATMの配置を見直し、500人位の行員を減らす合理化が予想されます。
私見ですが。統合・合併の背景を述べてみます。
〇超低金利政策が長く続き、銀行の利益利幅が伸び悩んでいる。
(両行とも黒字決算ながら、一層の利益追求と合理化が予想されます。)
〇人口の一極集中や少子化の影響で人口減となり今後も回復は望めない。
(明治時代は、全国一の人口だったが、県内人口は250万人をピークに減少)
〇近年、ネットバンキングやカード決済などが台頭してきた。利用者からみると。ネットなどで手軽で多様な手続きができる時代となった。
〇経営のかじ取りが難しい時代と地域経済規模の飛躍的な拡大が見込めない状況で、県内に性格の同じ地方銀行は、1行で充分となった。
◇ここからは視点をかえて、低金利時代に私が憂慮する点を述べます。
「銀行ローン地獄」とか「カードローン地獄」と言う言葉を聞いたことはありませんか?
かつて、1980年頃「サラ金地獄」があり、ローンセンターを開設して、組合員の債務整理に毎日相談にのってきました。サラ金はサラ金二法の成立(1983年)で、業者はうまみが減ってほぼなくなってきたものと思っていました。これにかわって最近「銀行ローン地獄」が多くなりました。
銀行からすれば、金利の高い無担保ロ-ンは、この低金利時代を乗り切る恰好の商品でしょう。ところが、利用者からするとたまったものではありません。
保証人不要と言いますが、保証会社の保証が条件となっています。この保証会社が曲者で、ほとんどが、クレジットやカード会社で、なかには、昔のサラ金業者まであります。「銀行ローン」のほうが「サラ金」よりえげつないと言う弁護士もいます。
2016年13年ぶりに自己破産件数が増加し、64,637件となった。銀行カードローン残高は5年で1.6倍増加5兆4377億円となり伸び続けています。
「サラ金地獄」が再来したようです。ローンの仕組みに弱い庶民が、いじめられているようで残念です。賢明な皆さんは大丈夫と思いますが、充分注意して利用してください。