新潟県退職者連合 幹事

(全日本自治体退職者会新潟県本部)

今井 一夫

  第213国会が6月23日閉会した。自民党の裏金問題、国民統制を強めた国会だった。能登半島地震の一日も早い復興や円安など物価高が求められたにも関わらず、政治資金パーティをめぐる自民党とカネの問題に多くの時間が割かれ十分な審議がなされなかった。

 成立した予算の特徴は、前年度比1兆1千億円増の7兆9466億円の防衛予算である。2年前に防衛費を43兆円とする「安保三文書」を改訂した大軍拡路線による大幅増額だ。

 法案についても多くの悪法が成立した。「経済安保情報保護法」は、経済安保版の秘密保護法である。関係する民間企業の社員や大学・研究機関の職員とその家族までもプライバシー調査する身辺調査法である。まさに国家による国民統制であり、戦前の国家総動員法の秘密保護規定の再来と言わざるを得ない。

 「政治資金規正法」改正は、全くざる法であり、企業団体献金も政治資金パーティも止めるといわない。政策活動費など領収書の公開は10年後で、全く実効性がないものだ。

 「地方自治法」の改正は、国が地方自治に包括的に介入する指示権を付与するもので、国の指導に従わない地方自治体への強権発動を可能にする恐れのある法律だ。国は、「大規模な災害、感染症のまん延」など「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」に対処するためと説明しているが、構成要件が示されず判断は政府の意のままだ。沖縄の基地問題、原発再稼働問題など国の重要な施策を押し付けられる途方自治体にとって、自治体としての判断権限を奪われかねないものだ。

 本国会は、戦争体制に向けた悪法や、人権を蹂躙する悪法が多く成立した。

 平和憲法を守り、日本を新しい戦前にしないために、生きることが大切だ。

 6月23日沖縄全戦没者追悼式が行われ「平和の詩」を高校3年生の仲間さんが朗読した。若者が戦争のない未来を信じて読んだ詩の一部を記載した。

人は過ちを繰り返すから 時は無情にも流れていくから
今日まで人々は 恒久の平和を祈り続けた小さな島で起きた
あまりにも大きすぎる悲しみを 手をつなぐように受け継いできた
それでも世界は繰り返している 
79年の祈りでさえもまだ足りないというのか
限りない平和のために僕ら自身のために つなぐ平和が
いつか世界のためになる そう信じて

平和憲法を守ろう!

 世界では戦争がいくつも起きています。憲法前文には「全世界の国民が平和に生きる権利がある」と謳っています。何気なく気高く勇気あふれる文章だと思います。私たちのとる道は、この平和憲法を護る声を上げ続け、決してあきらめない、あきらめるわけにいきません。