新潟県退職者連合 会長
山田 太郎
私の居住地(長岡市与板町)に流れる一級河川「黒川」と河畔公園のゴミを拾う、河川清掃活動が毎年4月下旬に行われる。
今年も地元中学生(全員)と一般参加者(団体・個人)等と一緒に参加した。開会式の実行委員長挨拶の中に“なるほど”と思わせるフレーズがあったので紹介したい。
大谷翔平選手が花巻東高校時代に作った「目標シート」がある。目指す目標「ドラフトで8球団以上から1位指名を受ける」、彼はこのことを達成するために必要な8つの課題を設定した。その中の1つが「運」。その運を身につけるために「あいさつ」や「道具を大切に扱う」というものがあり、「ゴミ拾い」はその中の1つ。
これは当時の佐々木洋監督からの教えを学んだことの1つであり、「ゴミは人が落とした運。ゴミを拾うことで運を拾うんだ。 そして自分自身にツキを呼ぶ。そういう発想をしなさい。」というものである。
メジャーリーガーとなって誰からも認められる今となっても、一塁へ向かう途中にさりげなくゴミを拾いポケットに収める。アメリカ中で「すべての子どもたちの模範だ」と感動を与えた。
初心を忘れず、今でも「ゴミ拾い」を実践している大谷選手の人間としての魅力は、こんなところにもあるのかも知れない。
一方、労働運動も企業内運動にのみに埋没せず、国際社会や地域社会に貢献する活動を通じ、社会的影響力を高めようと福祉型労働運動へと舵を切って久しい。
具体的には、途上国への児童公園づくりや小学校づくり、井戸掘りなどの支援活動などが行われている。国内的には、空き缶拾い、海岸清掃、カーブミラー清掃などのボランティア活動が顕著である。
労働界のこれまでの運を拾う活動の積み重ねがツキを呼びよせ、2年連続しての大幅賃上げに結びついてきたのかも知れない。
さらに政界にモノを言わせてもらえれば、裏金問題では真の黒幕と思しき老害政治家の存在、悪徳宗教との数十年に及ぶズブズブの関係など、おぞましいゴミは触れるのも汚らわしいが、自民党の落としたゴミ(運)を拾って、政権交代というツキを呼び込んでもらいたい。