新潟県退職者連合 会長

山田 太郎

 正月のヒマをもて余し、ネットで面白そうな書籍を見つけましたので皆さんに紹介します。私は買っていませんが関心のある方はどうぞ、

 以下、ご紹介します。  

 著者である高齢者専門の精神科医・和田秀樹氏(『80歳の壁』/幻冬舎新書)によれば、

「高齢になったら食べたいものを食べて、やりたいことをするべきだ。人間の体はよくできているので、体の声に従ったほうが健康的に過ごすことができる」

というもので、以下、ポイントをピックアップしてみました

<高齢者は病気の芽を抱えて生きている>

 80歳を過ぎた高齢者は、老化に抗うのではなく老いを受け入れて生きる方が幸せではないか。85歳を過ぎて亡くなった人は、体のどこかにガンがあり脳にはアルツハイマー型の病変が見られ、血管には動脈硬化が確認できる。ところが、それに気づかず亡くなる人が多くいる。つまり高齢者は「病気の芽」を複数抱えながら生きている、ということ。

 病気の芽は、いつ発症するかわからない。今日は健康でも明日は?突然、死ぬことだってあり得る。その事実は受け入れるべき。その上で、明日死んでも後悔しない人生の時間の過ごし方が大切です。

食べたいものを食べよう、栄養不足は老化を早める>

 たしかに60代くらいまでは、塩分の摂り過ぎも太り過ぎも、健康を損なう原因になるかもしれない。しかし80歳も目前の高齢者になったのなら、その常識は一度忘れた方がいいと思う。

 「食べたいものを我慢してダイエット」など自ら寿命を縮める行為、栄養不足は、確実に老化を進めるから。もちろん無理に食べる必要はないが「食べたい」と思うなら我慢せずに食べた方がいい。

 体の声を素直に聞く、80歳を過ぎた高齢者には、これが一番の健康法だ。人間の体は、実によくできている。それを信じればいい。

やりたいことは、どんどんやるべき>

 歳をとると筋力や臓器だけでなく、脳も老化します。認知症はそうした老化現象の一つです。なかでも一番多いのはアルツハイマー型で「脳が縮む」と言われているタイプです。

 実際に脳を解剖すると、海馬や前頭葉に萎縮が見られます。海馬は記憶を司る部分、前頭葉は思考や感情、行動や判断を司る部分です。人間が人間らしく生きるために、最も必要な部分が前頭葉なのです。

 前頭葉の働きが衰えると、日常生活では次のような変化が生じてきます。例えば、考えることが面倒になる、感情をうまくコントロールできなくなる、喜怒哀楽が激しくなる、意欲が衰える、集中できなくなる、などです。人間の体はよくできており、使わない機能は退化(廃用性萎縮と言う)していきますが、使えば活性化していきます。とくに脳はその傾向が顕著です。

 つまり、衰えるに任せておけばどんどん衰退しますが、奮起して使えば活性化させることができるわけです。そして、最も効果があるのが「したいことをする」ということです。前頭葉にとって、それはとても刺激的なことで、脳が活性化するのです。

 楽しいこと、面白そうだと思うことほど、脳にとっては刺激的です。反対に、つまらないことや我慢を強いると脳の働きは鈍ります。我慢をして毎日をつまらなく生き、脳を萎ませていくか、したいことをして毎日を元気ハツラツと生き、脳を活性化させていくか・・・したいことをすることは、脳の老化を防ぐためにも必要なのです。

 ということを著者は指摘しています。この他にも高齢者の夫婦生活や性(ホルモン)に関わる分野で具体的なアドバイスもされていますが、『週刊〇〇〇』のようになりますので、ここでは割愛させていただきました。