『限界集落』、わが町内会にも

山田 修

半数が60歳以上?

 早いもので、町内会長に就いて間もなく2年が経とうとしているが、4月から2期目のスタートだ。わが町内会は、住宅地の中にある約200世帯500人位が住む組織である。先の国勢調査に合わせ、町内会の「世帯票」をとって実態を把握したが、この調査で独居を含む75歳以上の高齢者が、約100人もいることが判り驚いた。60歳以上となると住民の約半数、ざっと250人位?がいると思われる。

夏休みで確認? 子どもの姿

 なぜか、最近「限界集落」との言葉を耳にしなくなったが、日本中がこのような状態になったためだろうか。まさにわが町内会は、「限界集落?」という状態にある、といっても過言ではない。わが町内会には空き家が目立ち、外に出れば高齢者しか目にせず、小さい子どもの姿を目にすることが珍しい状況だ。「子ども」の姿が、ある程度確認できるのは、「夏休みのラジオ体操」と「夏まつりに」の時だけだ。

支給はいつ?「出産祝金」

 毎年5~10人の人が亡くなっている。その都度、香典は出してきているものの、1月に珍しく出産の報があったが、『慶弔規程』がないため「出産祝金」の支給はなかった。次期総会で、町内の宝である「子ども」の誕生に対し、「出産祝金」を支給する『慶弔規程』の新設を提案する。町内には若い夫婦が少ないため、せっかく「規程」が新設されたのに、最初の「出産祝金」を支給する日がいつ来るか、分らないのが実態である。

「苦痛」から「楽しい」任務へ

 いずれにしても、高齢化が進行する中で町内会の諸課題に対応しなければならない。その一方で、役員の候補者は沢山いるものの、「なり手」がいないのが実態であり、極めて深刻である。これからは、活動を通じて人間関係を構築し、担い手(後継者)をつくるしかない。そのために、役員には町内会活動を担うことが「苦痛」と思われず、「楽しい」と思われる活動や運営に変えていく以外にない、と思っている今日この頃である。