新潟県退職者連合 幹事
(全日本自治体退職者会新潟県本部)
今井 一夫
4月から、介護報酬が平均1.59%引き上げられた。しかし、訪問介護は、基本報酬の2~3%のマイナスになった。訪問介護事業は、私たちが地域で、家庭で老後を過ごすための欠くことのできない事業だ。なぜ訪問介護事業だけを減額したのか。
厚労省が減額した理由は、「全サービス中、最も利益率が高く、平均すると7.9%の高収益」だから。ここには、わかりにくいカラクリがある。
最近、ご近所に「老人ホーム」が増えていませんか!このうちの多くがサービス付き高齢者住宅=サ高住です。サービス付きを謳っているが、一般型の場合、一日2回の安否確認と相談のみ義務付けられていて、介護職員は常駐していなくてもよい。他のケアサービスの場合は、在宅時と同じくケアマネージャーが作ったケアプランに基づき、ケアサービスやデイサービスを利用する。当然、併設か同系列の事業所です。サ高住の建物の中を回っているから施設職員と思いがちだが、れっきとした訪問介護のヘルパーである。
サ高住は、自立か要支援、軽度といわれる高齢者向けの住宅として、国交省と厚労省の合同で作られたものだ。普通の訪問介護ヘルパーは、雪が降っても雨がひどくても自転車で、車で利用者宅を訪問する。一日5~6軒まわればもう体はくたくたになる。サ高住は、建物内の居室を回ればよいから効率は極めてよい。サ高住の増加と訪問介護事業者の増は、こういう理由で収益率も当然高くなる。
一日も早く介護報酬を最低でも元に戻し、訪問ヘルパーが増える施策を取るべきだ!!