新潟県退職者連合 顧問

早川 武男

1.11月8日に連合新潟の第33回定期大会が開かれ、牧野会長は次のような主旨の挨拶をされた。

⑴ 組織人員は構成組織の懸命な取り組みにより、昨年よりも2971人増の103787人となった。4年ぶりの純増である。

⑵ 2023春闘は2014年以降最も高い、ほぼ30年ぶりとなる水準の賃上げが実現した。「賃金はあがるもの」といった流れを止めてはならない。

⑶ 解散総選挙が囁かれている。構成組織によって支援政党が分かれているが、働く者・生活者の立場にたつ政治勢力が最大化するよう取り組まなければならない。連合本部には立憲民主党と国民民主党がひとつにまとまるよう尽力願いたい。

⑷ 役員だけの運動では難しい。組合員の「運動への参加」を呼びかけるとともに、地域においても労福協等と連携を強めたい。連合新潟はその中心的役割を担う。 

⑸ 労働運動は、より良い職場、より良い社会にむけた変革の原動力でなければならない。2003年の連合評価委員会報告(いわゆる中坊委員会)をいま一度ひもとき大切にしたい。

 

2.会長挨拶のあと来賓挨拶があり、大会は「報告事項」と「運動方針」の審議に移ったが、代議員からの発言はなかった。日頃、専従役員と構成組織のコミュニケーションが丁寧に行われているからでもあるが、生来の心配性、いくつかの方針について掘り下げた議論が必要ではないかと思った。そのひとつがマイナンバー制度に関わる方針だ。

  連合は「公平・公正な税制、税の所得再分配機能の強化にマイナンバー制度は必要不可欠な社会基盤だ。金融所得を含む総合課税化の実現には、制度の理解を深めつつ全ての預貯金口座に紐づけすることが重要である」との方針を掲げている。私は全面的に賛成だが、経済界には所得捕捉を嫌い異論が潜在する。労働界でも官公労を中心に反対意見が多いと聞いていた。

発言なしは構成組織の進取の気象か。はたまた(私の)杞憂か。

 

3.本大会で牧野会長が退き、事務局長の小林俊夫さんが新会長に、副事務局長の桑原典子さんが新事務局長に選出された。新会長は「連合新潟は県内の働くもののそばにいる存在でありたい」と決意を述べられたが、大いに期待したい。