新潟県退職者連合 幹事
(農林水産省退職者の会)
明間 修
散策(ウオーキング・散歩)に励んでいる。車窓からとは違った風景が見えてくる。
当初は、メタボ対策で始めた散歩、何度目の挑戦であろうか?
「お金がかからない趣味で節約を!!」「有効に時間を使いエンジョイ、セカンドライフを楽しもう!!」等々のマスコミの触れ込みもあり、節約と健康管理(減量)を兼ねての挑戦である。物価高、電力料金の引き上、追い打ちをかけるかようなガソリン高。「我慢や節約に慣されてきた国民性か?国民よ、決起せよ!!」との思いもあり、細やかな抵抗でもある。
だが、予期せぬ収穫もある。「社会の縮図も垣間見え、勉強になる」
流石に、灼熱地獄の今年の夏は、散策を遠慮する事が多かった。そんな日は、近くの大型商業施設(冷房付き)で散歩する。
散策すると色々な人と遭遇する。当然、私と同世代の人達が多い。商業施設では、フードコートやゲームセンターで老若男女が多く集う。時間には縛られていないようだ。ゲームセンターでは、私の想像をはるかに越えた多くの年配の方々が楽しんでいる。最先端のゲームを楽しんでいる。感心するばかりである。「有り余る時間」を有効に使っている。こんな過ごし方もありかと、改めて納得する。
天候に恵まれた日は、街を散策する。遠くは五頭、飯豊、弥彦、傍では、田畑や自然の景色を楽しむ事ができる。季節の変化を肌で感じとることができる。これもまた心地良い。
時として、ハプニングもある。ある日、迷子のお祖母ちゃんと会った。町内在住で近所のお祖母ちゃん、時々買い物には出かけているようだが、その日は、道に迷いパニック状態になった模様。曰く「病院で認知症と診断された」と話す。「問題起こしたら家族に怒られる」とも話す。穏便に済ませたいようだ。幸いにも住所メモを持ち合わせており、自宅まで送り、事なきを得た。他人事とは思えない一コマであった。
町内会では、役員兼クリーン推進委員を仰せつかっている。毎夕、ゴミステーションを巡回する。学校帰りの小学生やお爺ちゃん、祖母ちゃんともよくすれ違う。杖を傍らに散歩する人、歩行器でリハビリに励む人もいる。「不審者」と思われないように愛想笑いで挨拶する私。のちのち話を聞くと、散歩していたあの人、施設に入所したとの情報も入ってくる。これが日常なのだと思うとやりきれない。
わが町内、ご多分に漏れず、少子高齢化社会を迎えている。空き家も多く、一人暮らしのお年寄りの方々も多い。福祉施設の送迎車、救急車などの出入りも多い。孤独死なども起きている。何にもありの現代社会になってしまった。
散策では、車の中からは見えてこない街や町の様子が見えてくる。貴重な体験である。
「健康管理」に気を付けながらも、地域に恩返しができれば、これも、また、「良」としなければ思う、今日この頃である。