新潟県退職者連合副会長
(新潟交通OB会)

 諸橋 孝雄

 現在、第三波か?とのコロナ感染状況がテレビ・新聞などで連日のように報道されている。感染した場合、重症化のリスクが高いといわれる私たちには感染しない・させないための注意が日々必要となっている。一体いつまで続くのか?
 
 「エッセンシャルワーカー=必要不可欠な労働者、私たちが日常生活を維持するために無くてはならない職業に就いている人たちを指す。」では、特に厳しい状態が続いているようだ。中でも、毎週日曜日に放送されたドラマの「半沢直樹」にもあったような、航空会社の大幅な赤字に伴う人員削減・関連会社への出向やボーナスの大幅な削減などの実施が報道されている。
 
 私が働き続けているローカルの乗合バス・貸切バス事業でも収支状況は厳しいのが現状となっている。貸切バスはGoToキャンペーンでの料金補助により割安感はあるが、企画旅行の減少とソーシャルディスタンスなどの感染予防策により乗車定員の半数ほどの運行形態が中心となっていること、乗合バスでは不要不急の外出自粛などによる大幅な利用客の減少などにより収支状況は厳しい状態が続いており、現在は雇用調整助成金による事務員・運転士・ガイドの休業が実施されている。
 
 中でも、乗合バスでは長年続いていた利用客数の減少に歯止めが掛かり始めた矢先でのコロナ感染予防による不要不急の外出自粛は、利用客数の減少に拍車をかける結果となり、大幅な収益の悪化を招いているようだ。しかし、徐々にではあるが、乗合バスの利用客数や貸切バスの運行数は戻ってきてはいるようだが、まだまだ雇用調整助成金を頼りにしなければならないのが実態ようだ。
 
 乗合バスでは11月下旬に大幅なダイヤ削減が実施される。このことは利用客数の減少による収支悪化の改善だけではなく、慢性的な運転士不足も大きく影響している。毎年、定年や自主退職者があることから、新規募集をしても必要人員の確保ができない現実が続き、結果として路線・ダイヤの維持が非常に困難となっている。
 
 かつては、県内でも有数の優良企業として必要人員を大きく上回る入社希望者が集まっていたのは、遠い昔話となってしまったのか。このまま運転士不足が続くならば、路線・ダイヤの削減も続けざるを得ないのではないか、長年勤めた者として心配が続いている今日この頃となっている。