車社会を考えて

中越地域退職者連合会長 加瀬康久

 

 私は現在、75歳と7カ月になります。自動車免許証を取得してから53年になりますが、車をキズつける事故は3回くらいありましたが、人身事故はありませんでした。今でも車の運転には自信はありますが、若い時に比べて反射運動が鈍くなったと70歳過ぎたあたりから気づいていました。

 昨年10月で後期高齢者になり社会から大人として一人前に見られなくなり、車の運転をやめる決心をいたしました。免許証は現在でも所有していますが、車を今年(平成31年)3月31日で廃車にいたしました。移動はもっぱら路線バスかチャリンコです。車社会は車に乗れないことは本当に一人前ではありませんね。日常的の買い物はリックサックを背負い行きます。その他は路線バスで移動しています。

 車社会でのチャリンコ移動は危険がいっぱいです。車移動の方が安全と思われる場面が多くあります。チャリンコも車両ですので左側通行ですから狭い道路では最悪です。大型自動車が後方から追い越しされたら命がけです。高齢者ドライバーを批判する前に車優先社会を批判するべきです。「歩行者優先」と言っていながら、道路行政はそうなっていないのが現状です。

昨年の交通安全研修

 特に冬場は車道の除雪が優先され、歩道の除雪が後回しにされ歩行者は車道を歩くのが現状です。私は車道と歩道を完全に分離しない限り、歩行者は交通弱者でいつも「交通犠牲者」になってしまいます。
ドライバーは車を運転する時は緊張感をもって運転してもらいたいと思います。そして又、高齢者ドライバーは少しでも不安があれば運転を控えるのが賢明と思います。

 もう一点の路線バスは、もっぱら集会、会議参加は100%利用しています。冬場バス停でバス待ちする時、少し寒いですが特に不便を感じていません。しかし運賃が高すぎます。長岡駅まで往復840円ですが半額位でしたら最高です。日常的の買い物は現在チャリンコで行くのですがリックサックに入る食材は少ないので、それ以外は生協の食材配達に頼っています。チャリンコに乗れなくなったら生協に頼る食材が多くなるか、息子に頼るしかありません。

 最後になりますが、国と車関係企業は国民を車社会にまきこんでいて、邪魔になると免許返納しなさいと言います。高齢者免許返納後の社会活動をどう考えているのでしょうか。まったく無策です。国が大枠の方針を出し後、こまかい方針を各自治体で早急に出すべきです。高齢者も社会の一員ですので、いくつになっても元気で社会活動ができる社会をめざさなければなりません。