農業・・・趣味??

櫻井 勝美(越後交通高退会)

 晩秋に入り豪雪地域では庭木の冬囲いが始まり、雪に備える庭木の姿がきれいに仕上り、新たな形で目に入るようになってきました。こうした光景と同じ時期に農家では、秋野菜の収穫と冬に向けた野菜等の準備が始まっています。 
 
 大規模農家や野菜の生産販売を主体に経営している専業農家は別にして、小規模、零細農家は、主に勤め人の傍ら農業を営んでいる兼業農家の人たちが多く居ます。私も後者の方で長年続けてきました、いわゆる昔でいう「三反百姓」の部類に属します。

 魚沼地方では専業農家より兼業農家の方が多くみられますが、私の居住している集落も例外にもれず、ほとんどが兼業農家で自家用の野菜などを栽培し、自宅で消費できない部分は、知人・友人におすそ分けし、出来の悪さは経験不足とごまかし、良くできれば鼻高自慢で地域交流の一翼を担っています。しかし、出荷することとなれば、規格の問題や流通の問題が生じ、大分難しくなってきますので、ほとんどの零細農家は出荷せずいわゆる自家用野菜となっているのが現状です。

 さて、そんな仲間のほとんどが口にする言葉は、「農業は趣味だと割り切っていかなければやっていけない。」また、「趣味にはお金がかかってもしょうがない。」と、いう言葉です。
 まさにその通り、種を購入し蒔いたり、あるいは園芸店で野菜苗を購入し移植し、肥料や水をやったり、その挙句、草取りの作業が待ち受けています。こうして収穫できるまでには、多くの労力と経費が掛かります、考え方によっては、必要な時必要な分だけ購入し消費した方が、安上がりになる可能性があるからです。

 しかし、なぜこうした農業を続けて来られたのは、先祖から受け継がれてきた少しばかりの田畑、それを耕すことによる地域とのコミュニケーションを保つための役割や、出来た野菜のおすそ分けによる、友人・知人とのコミュニケーションが図られてきたように感じられます。

 そんなことを考えあわせたら、まさに、零細農家は趣味の域を出ないのかもしれません。ちなみに、確定申告での農業収入は、毎年必ず赤字申告となっていす。