県退職者連合は、7月24日新潟ガレッソホールで第26回定期大会を開催し、向こう2年間の運動方針を確認しました。参加者は代議員・幹事を含め112名でした。(来賓除く)
年金・介護・医療など社会保障制度の充実に向けた取り組みを強化していくこととしました。
早川会長はじめ、ご来賓各位のごあいさつは順次ホームページでの中で紹介していきます。今回は早川会長とご来賓の溝口副知事(花角知事からのメッセージを代読)を紹介します。
(後段掲載)
大会議長に「JP労組退職者の会」の渡辺五四六氏を選出し、議事を進めました。
2017年度活動報告、2017年度決算報告・監査報告が確認された後、
第1号議案、活動方針として、①組織拡大・地域協議会の活性化②社会保障制度の充実③平和運動の強化④ろうきんシニア倶楽部との連携強化⑤全労済・コープクルコ等との連携強化⑥労福協運動との連携⑦情報格差の克服と伝達強化⑧男女共同参画など提案され、それぞれ採択されました。
第2号議案では、2018年度予算案が可決されました。
第3号議案では、役員の承認を、三役から全幹事・監査委員・顧問を対象とし、全員の承認を得て、新しい役員体制でスタートしました。しかし、昨年来からの課題であった女性役員の選出が、今年度も課題として残りました。課題解消に向け規約改正などを含め検討することとしました。
(新役員体制は後段に掲載)
以上、審議終了後、早川会長の「団結ガンバロウ」で第26回定期大会を閉会しました。
ご来賓一覧表
新潟県 溝口副知事
日本退職者連合 菅井事務局長
連合新潟 牧野会長
労働金庫 齋藤理事長
全労済 小野塚理事長
クルコ 山口理事長
会 長 あ い さ つ
連合第26回定期大会(2018.7.24)
早 川 武 男
構成員の皆さん、暑い中、本大会にお集まりいただき感謝申し上げます。
また、大変ご多用中にも関わりませず、多くの来賓の皆さまからご臨席を賜りました。構成員を代表し心からお礼申し上げます。
折角の機会でございます。議案に関連し、所信の一端を申し上げご挨拶とさせていただきます。
初夏のある日のことでした。毎日新聞現代の風に、財務省の改ざん問題に関し「私たち有権者は、公務員に公文書を書き換えさせたりするような政治を許してはいけない。誰かが直接指示したか、誰かの意向を忖度した結果なのかはわからないが、いずれにしても、主権者国民をないがしろにし、権力者の意向を唯々諾々と汲む政治を続けさせてはいけない」と、作家・中島京子さんの怒りの記事が掲載されていました。私も、モリカケ問題に関し、あるものを無いと言い張り、逢ったにも係らず記憶にないと言い続け、都合が悪い文書は廃棄する。その上、総理も詭弁を弄し責任を曖昧にする。このような政・官の緩みきった対応には驚かされ、あきれもしましたので正鵠を射たご指摘と思った次第です。
ところが、最近の世論調査をみると、一旦下がった内閣支持率は上昇傾向を示しています。おそらく、政権による巧みなメディアコントロールの奏功もありますが、アベノミクスによる景気回復と株価の上昇、アメリカとの通商交渉や北朝鮮問題の解決などへの期待といった、市井の人々の素朴な想いが数字に表れているのではないかと思います。むろん、野党勢力の不協和音等も要因の一つと考えられます。
しかし、この間政権が進めてきた、正当な労働運動も処罰の対象になりかねない共謀罪の制定のみならず、「骨太の方針」に基づく社会保障費のカット(3年間で約4,400億円)、際限なく働かされるリスクが高まる高度プロフェッショナル制度の導入などの他、ますます拡大する所得格差と貧困の実態などをみると、平和と日々の平穏を願う市井の人々のための政策遂行とは言えない、むしろ悪くするものばかりといっても過言ではありません。
人々の想いを変える、政治の流れを変える営みは簡単ではありませんが、先ずは参議院における議席のアンバラをなくし、政治に緊張関係をつくることが必要です。私たちの仲間には多くの選挙運動の匠もおられますので、現役の皆さんと手を携えながら、会としての役割を果してまいりたいと思います。
4月から暮らしに関する様々な制度やサービスが変わりました。2018年度の年金額改定は、賃金変動率が0.3%のマイナスであったものの、改定ルール適用前であったことから据え置きとなりましたが(2021年度からはマイナス改定になる)、医療サービスの公定価格の見直しで診察代・入院代が上がり、75歳以上の医療保険料がアップし、医療療養病床の光熱水費が引き上げられました。また、介護サービスの公定価格のアップに利用者の増加が加わり、65歳以上の保険料も上がっています。
世界に例のない超高齢化時代のただ中にある日本です。現役世代の支援も限界にありますから、ある程度の負担増は止むを得ませんが、それにしてもという思いがします。言わずもがなのことですが、安倍政権は選挙戦を有利に運ぶために消費税増を2度にわたり延期し、一方で、大企業向けの法人税減税は大盤振る舞いしながら社会保障費をカットしています。あまつさえ、2040年度の社会保障費用の推計額(現在より1.6倍の約190兆円)を示しつつ、あたかも、国の財政のひっ迫は高齢者中心の社会保障費用の増大にあり、高齢者に係わる費用の抑制こそが喫緊の課題であるといった雰囲気づくりをしています。
ご承知のとおり、厚生年金給付額は月平均15.7万円です(2015年度・基礎を含む)。多くの方の収入は年金のみで、ここから国民健康保険料、介護保険料などを支払います。その上、75歳以上の高齢者は病気がちになり、医療費は現役世代の4~5倍もかかります。預貯金も減少します。そうです。現実には、私たちの仲間も生活上のちょっとした異変で、「下流老人」(藤田孝典氏)に陥る恐れがあるのです。それだけに野党の皆さんからは、超高齢化時代を乗り切るため、社会保障制度の仕組みをどのように見直し、それを支える税金や社会保険料を誰にどれだけ求めるのか。窓口負担はどうするのか。国民の将来不安を払拭するため、中長期の将来像を見据えた政策を確立し、国会審議の牽引車的役割を担っていただきたいと思う次第です。
私たちも、日本退職者連合が計画する社会保障制度に係る方針討議には積極的に参加する所存です。
昨年の第25回総会では、新潟県退職者連合予算の9割弱をしめる助成金の減額という事態をふまえ、「今後の退職者連合の組織・運営方法等について」との方針を決定しました。経費の節減にむけた施策はもとより、実態を勘案した地域退職者連合活動、助成金をめぐる行政指導をふまえた事業団体との連携などについて特徴的にふれましたが、会の基本的なミッションは呱々の声をあげて以来変りありません。今日的には、地域包括ケアシステムの構築などへの対応は重要な課題です。もちろん、立憲主義(国民の人権を守るため国家権力を制限する)を否定するような憲法改正や、原発を重要なベースロード電源とするエネルギー政策も傍観視できないと思います。新潟県退職者連合は、今後も
① 退職者・高齢者に係わる社会保障制度の維持向上をめざす
② 加入組織の自主的な方針と活動を尊重する
――ことを活動の基本に、四囲の動向に的確に対応してまいりたいと存じます。
以上、極めて雑駁でしたが申し上げご挨拶とします。
ご清聴たいへん有難うございました。
祝 辞
新潟県退職者連合第26回定期大会の開催に当たり、一言お祝いを申し上げます。
貴連合におかれましては、平成5年の結成以来、豊かな高齢期を実現するための各種活動を通じて、安心で安全な生活を送れる社会づくりに積極的に取り組んでこられましたことに、心から敬意を表します。
私は、新潟県の将来像として、多くの県民の皆様が、新潟に住んでいることを誇りに思い、これからも住み続けたいと思える新潟県、そして、多くの国内外の方々が新潟に魅力を感じ、訪ねてきていただける新潟県、そうした「住んでよし、訪ねてよしの新潟県」を目指してまいりたいと考えております。
長年にわたり、働くことを通じて社会に貢献してこられた皆様が、退職された後も、貴連合の活動を通じて、豊かな県民生活の実現に大きく貢献されておられるということは、「住んでよし、訪ねてよしの新潟県」の実現につながるものであり、若者や子育て世代にとっても、夢や希望を持って、働き、暮らしていくための活力となるものと考えております。
県といたしましては、ライフスタイルに応じた多様な就業機会の創出に取り組むとともに、もしもの時に備えた医療・福祉の充実に全力を注ぎ、誰もが生き生きと活躍でき、安心して安全に暮らせる、魅力ある新潟県を実現してまいります。
皆様方におかれましては、長年培ってきた豊富な知識や幅広い経験等を次の世代に伝えるため、引き続き、様々な分野で御活躍いただき、御指導を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、貴連合のますますのご発展とお集まりの皆さまの御健勝を祈念しまして、お祝いの言葉といたします。
平成30年7月24日
新潟県知事 花角英世
代読 溝口新潟県副知事
<2018年度役員体制>
役 職 | 氏 名 | 所 属 |
会 長 | 早 川 武 男 | (NTT労組退職者の会) |
副 会 長 | 山 田 太 郎 | (JP労組退職者の会) |
副 会 長 | 諸 橋 孝 雄 | (新潟交通グループOB会) |
事務局長 | 齋 藤 由 宣 | (自治体退職者会新潟県本部) |
事務局次長 | 筒 井 泰 樹 | (連合新潟) |
幹 事 | 今 井 一 夫 | (自治体退職者会新潟県本部) |
幹 事 | 大 坂 和 夫 | (新潟県退職教職員連絡協議会) |
幹 事 | 木 村 道 夫 | (NTT労組退職者の会) |
幹 事 | 渡 辺 五四六 | (JP労組退職者の会) |
幹 事 | 木 村 昭 雄 | (新潟県高等学校退職者の会) |
幹 事 | 神 林 俊 晄 | (新潟交通グループOB会) |
幹 事 | 眞 田 守 | (基幹労連新潟県本部退職者の会) |
幹 事 | 小日山 紀 郎 | (全港湾退職者の会) |
幹 事 | 小 柳 保 男 | (農林水産省退職者の会) |
幹 事 | 山 田 修 | (JAM新潟シニアクラブ) |
幹 事 | 山 崎 次 男 | (JR総連OB会) |
幹 事 | 安 念 諫 | (UAゼンセン友の会) |
幹 事 | 渋 谷 昭 彦 | (日通新潟退職者の会) |
幹 事 | 八 幡 輝 男 | (三菱ガス化学労組高齢者協議会) |
幹 事 | 加賀美 和 美 | (林退会新潟県協議会) |
幹 事 | 桜 井 勝 美 | (越後交通労組高齢者・退職者の会) |
幹 事 | 皆 藤 充 | (労働金庫退職者の会) |
幹 事 | 内 田 義 昭 | (日曹二本木高齢者協議会) |
幹 事 | 阿 部 輝 雄 | (総合生協退職者会) |
幹 事 | 林 光 弘 | (連合新潟役職員OBの会) |
会計監査 | 西 村 幸 子 | (UAゼンセン友の会) |
会計監査 | 本 間 晃 | (労働金庫退職者の会) |
顧 問 | 宮 島 舍 人 | (前会長・JP労組退職者の会) |
よろしくお願いします。