ランドルト環。私の場合

会長 早川 武男

 本欄の4月12日付に、幹事の自治退・山内さんが「ランドルト環」(視力検査のさいお目にかかる『C』のようなマーク)と題した記事を投稿されていた。山内さんらしい実に味のある記事で、要約すれば次のとおりと理解した。

  1. ゴルフボールが見えにくくなり眼科医を受診。白内障との診断。運転免許証の更新を控えていたことから、即、手術することを決定。
  2. 手術は30分で終了。痛みはない。翌朝に眼帯がとれる。事前に聞いていたとおり「青空がまぶしい」「きれいな人は、それなりにきれいに見える」。
  3. 手術前後の疑問や飲酒、車の運転などは何度も質問し、納得して手術に臨むことが必要。ただし、怒る医師もいるので注意する。3か月後治療は終了。

 私も、白内障の手術はとても簡単と聞いていた。車の運転に支障をきたしていたし、山内さんが「きれいな人は、それなりにきれいに見える」とおっしゃるので、5月上旬に近所の医院で日帰り手術に臨んだ。なるほど、そう痛くないし、眼帯が取れたら新緑が鮮やか。とりわけ両眼が終わったら、テレビでいえば真空管のカラーテレビがまるで4Kテレビに。ゴルフ番組では芝目も見えるくらいに綺麗だ。もっとも鏡をみたら、己の顔はシミだらけ。これは予想外。

 面倒なのは、手術そのものは20分で済み(もう片方は1週間後)、ほぼ無痛であったが、手術3日前から1日4回の点眼が、術後2週間は1日4回3種類の点眼がある。それも続けてさすのではなく5分以上の間隔をあける。2週間目以降は2種類の点眼が3カ月続く。
 
 それに洗髪が術後3日目まで駄目。OKが出ても仰向けで洗えとのこと。理容室では仰向け洗髪が難しいことから、産まれて初めて美容院へ。それなりにきれいな美容師さんが洗って下さったが、まだ男だ、いささか緊張した。洗顔も1週間は蒸しタオルで軽く拭くのみ。電気カミソリがなかったら江戸時代の囚人状態になっていたと思う。1回目の手術から3週間スポーツは禁止、飲酒もご法度だ。私は酒仙ではないが、さすがに口寂しかった。
 
 そうそう、手術そのものは20分程度だが、その前30分間は点眼薬で手術に備え、術後は点滴と安静に40分ほどの時間を要した。全部で1時間半くらいかかることから、ナース嬢によれば頻尿の方は大変だそうな。高血圧、高血糖、不整脈のある方などは簡単でないらしい。残念ながら、まぶたが下がる眼瞼下垂(がんけんかすい)も治らない。目もとパッチリは無理である。

 点眼や洗髪など面倒ではあったが、それでも景色の鮮明さを取得したし、車もメガネなしで運転できる。医学の進歩と日本の医療保険制度は本当に有難い。
もちろん経過は良好である。ナース嬢のこぼれんばかりの笑顔が、薬石の効を高めているのではないか・・と思う。