ろうきんシニア倶楽部本店支部さんの定期総会探訪

会長・早川武男

 ろうきんシニア倶楽部本店支部さんの定期総会が2月15日に開催された。新たな体制になり初めての総会である。
 新潟県退職者連合は、新潟県労働金庫さんから格別のご支援をいただいていることから、事業への協力について検討してきたが、昨年、「新潟ろうきんシニア倶楽部(支部)」さんへの、加入促進と連携強化について力を注ぐことを確認した。

とは云うものの、私は生まれと育ちが悪いせいか人見知りが強く、元カノ?らにも誘われてはいたが、本店営業部の旧「寄居会」の催しにあまり参加していない。正直に言えば詳細を知らないのだ。さわさりながら退職者連合として方針を決めている。百聞は一見に如かずというか、具体的な活動などを精緻に把握するため、勇気を奮い起こし(それほどのことではないが)、シニア倶楽部本店支部さんの定期総会にでかけた。

 総会運営は労金職員さんの手で淡々と進められた――さすがにお客様の扱いに慣れている。運びが上手い――。
 先ず土屋支部長が、「『支部長』より元の『会長』の方が響きは良いが、シニア倶楽部支部として最初の総会だ。他の支部ではこれまでどおり小旅行等を行っているようだが、それらは後刻確認し報告する。本店支部総会は(次第のように)進めたい。役員については死亡があったことから新たに選出したい」とあいさつ。

 その後、新役員を選出し、今後の活動計画について確認した。具体的には
 ① 役員会      4回(5・8・12・3月)
 ② 親睦旅行     9月ごろ予定
 ③ 年金税務相談会  2月に予定
 ④ 定期総会・講演会 2月に予定

 ――であるが、税務相談は6名の税理士の協力を得て実施するとのこと。平成29年分の確定申告では医療費還付請求の方法が大幅に変わるが、情報に疎くなる退職者にはなんとも頼もしい。

 その他の議題として、コミュニケーション情報誌「かけはし」が紹介され、併せて、「シニア倶楽部加入者の特典」として次の3点が説明された。弁護士による法律相談は一部の加入組織以外は制度としてないので、これも頼もしい施策だ。
 ① 弁護士無料相談
 ② 暮らしに関する各種無料電話相談
 ③ 基本旅行代金の3%割引

 会議は25分で終了し、本総会のメイン・イベントである、元NHKアナウンサー・齋藤洋一郎さんの講演会に進む。
齋藤さんは新潟市の出身で主にスポーツを担当。約1時間、オリンピックやプロ野球などスポーツ放送のこぼれ話をされた。とても全てを紹介できないが、私の拙いメモをもとに別記に要旨を記載した。

 講演会後は参加者お楽しみの新年会。
 会費は5千円。もちろん事務局からの補助も多いと思うが、新潟らしい上品で美味しい料理をいただいた――東京勤務時代の経験だが、美味い料理や食の話になると、博多、京都、金沢、札幌は登場するが、新潟は酒とコメは話題になるものの、料理はあまり褒められなかった。いまいましく思っていたが、謙虚な県民性と宣伝下手が要因ではないかと感ずる――。お酒もたっぷりいただいた。

楽しい時間はあっという間に過ぎ散会となった。参加者は30数名。ホテルのキャパシティの関係から40人以内に絞られたとのこと。総会の充実した内容からして誠に惜しい。地域退職者連合役員にもお目にかかれなかったが、今後、連携・協力についてご尽力いただければ幸いである。

別 記 「齋藤洋一郎さんの講演内容(要旨)」

 ・受信料のおかげで4回オリンピックに行けた。バスケットボールや野球放送は時間が2~3時間ですみ楽だが、オリンピックの陸上などは朝早くからはじまり夜中まで続く。選手に関する資料づくりもあり徹夜になる。だいたい外国選手の中には名前を読めないのもある。今は、派遣メンバーは前から決まっているし担務も決まっているから良くなったが、当時は直前に「お前行け」であった。
 
また、日本が勝ち進むと準備していない競技も担当させられる。例えば、グランド・ホッケーなどはルールも知らず苦労した。解説者をつけてもらい、やや大きな紙にルールなどを書きこみ、それを指差しして貰らい凌いだ。

 ・「スポーツ放送は楽だね」と言われたが、ルールを覚えるのが大変だ。
21競技25種目を行った。ルールが簡単なのはサッカー。サッカー競技が観客で満員になるのはルールが簡単だからだ(ルールブックが薄い)。17条しかない。ルールが厄介なのは野球。盗塁は隙あらば進むというスポーツ。1895年に生まれたが、トリプルプレー防止のためにインフィールド・フライのルールができたし、牽制防止のためにボークのルールが生まれた。

  国連加盟国は193。オリンピック参加国はロンドンで209。FIFA(国際サッカー連盟)は211。オリンピックよりFIFAの方が多い。野球は124でソフトボールは127。ヨーロッパではやっていないからだ。4年に1度のワールドサッカーが一番参加国が多い。

・この仕事をして一番は、一流の方とご一緒できたこと。
 10年~15年、安定した力を出し続けられる選手が一流。1年では駄目だ。
 プロ野球の支配下選手は70名。だから、毎年、入団する選手がいる反面、その分が辞めさせられる。辞める選手の平均は29才。これを掻いくぐって活躍する選手が一流だ。一流選手は「強い願望」をもっている。「エースになる」「金が欲しい」などで、「なりたいなー」では一流になれない。

 野村克也は昭和29年契約金なしのテスト入団。無名の京都・峰山高校から南海に。1カ月7千円の給料を、寮費に3千円、自分に3千円、残りの千円を、行商や畑仕事、他家の手伝いなど休みなく働いていた母に。だいたい休んでいたところを見たことがないそうな。苦労に苦労を重ね育ててくれた母に送っていたが、それは「母を楽にしてやりたい」という強い思いから。母の死後、その金は、みな預金されていたことが分かったとのこと。ホームラン657本、1988打点は王に次ぐ大記録だ。

稲尾和久は大分の漁師の8人家族の末っ子。貧乏漁師の子どもでおかずもなかった。親父の船を漕ぎ、結果として足腰が鍛えられた。契約金は50万円。この金をみて親父が西鉄入団を許したが、同じ時期の巨人・長嶋は1,800万円。銀座に7軒の家が建てられたほどの金だ。楽天マークンが24連勝したが、それまでは稲尾の記録が最高。
彼はバッテンングピッチャーとして採用された。1日400球投げろと言われたが、それでは肩が壊れるので「軽くストライク」を投げる工夫をした。そのうち中西太など猛者が「きわどいボールも投げろ」と求めてきた。これでコントロールがつき三原監督の目にとまった。1年で42勝は今でも破られていない。通算で276勝。これも「家を楽にしてやりたい」との強い思いからだ。
西鉄3連敗から4連勝の日本シリーズ。稲尾は6試合に登板し4試合を完投。スポーツ紙ではなく福岡の一般紙が「神様・仏様・稲尾様」と書いた。

イチローは10年連続200本安打。この記録はホーム・ベースから1塁までの距離が変わらない限り破られないと思う。よくイチローはマスコミ嫌いと言われるが、本人は「嫌いではないが、きちんと見て書いて貰えないから」と言う。ちゃんと見てくれる人には話をする。
自分に厳しい人で、「自分は毎年4割を打とうと思って厳しい練習をするが、それでも3割だ」。だから練習を重ねる。だいたい練習をしないと打てないし、怖いそうだ。

張本勲の記録は、3085本安打と7回の首位打者だ。広島の貧乏人の倅で、事故で右手中指の一部を欠いている。左打者が右手中指を欠いているのは大変なことだが、それでも広角打法であれだけの成績をあげている。TBSのサンデーモーニングなどテレビでは手を隠しているが、毎日、300回の素振りをしないと怖かったそうだ。
  
 ・一流の条件の1つは「良い出会い」だ。これは日野原医師も言われていた。
  高橋尚子選手は小出監督との出会いだ。小出は400人位の選手を指導していたが、
  高橋の目から電波が出ていた。私を勝てるようにしてくれる指導者は誰かと。これで小出は自分の全精力を彼女に注いだ。良い出会いは貴方(貴女)の才能だ。

以 上