ろうきんは次の時代のモデル
新潟県労働金庫
理事長 江花 和郎
新年あけましておめでとうございます。
日銀のマイナス金利政策が長期化する中、金融機関は引き続き厳しい環境下での年明けとなりました。昨年はメガバンクが店舗政策の大幅な見直しと人員削減を発表したり、県内地銀が統合協議を始めるなど、金融機関の生き残りをかけた動きが加速しています。
新自由主義とグローバリゼーションの限界が見え始めています。1990年代から広がった格差と貧困問題は社会の不安定さを助長し、さらに現在は保護主義と排外主義が台頭し、テロも頻発するなど、世界中で近代システム自体が機能不全を起こしています。
もはやこれまでのやり方は通用しません。その延長線上で問題の解決を目指すのではなく、別のモデルで次の時代を切り開くことが求められます。次に向かってじっくりと挑戦を始めていくことが大事です。
グローバリゼーションは、世界中から「より早く」「より効率的に」富を収奪してくる争いです。企業は見ず知らずの投資家に短期間で最大の利益を提供する行動が求められてきました。
私たちが目指す行動はその逆です。つまり「より近くで」「より丁寧に」です。地域密着で顔の見える関係、手間隙をかけて息の長い関係をつくっていく。短期の成果を求めず、利益は必要最小限でいい。労働金庫は地域で利用する人たちのためにあるのです。私たちのモデルが広がるまでには長い時間がかかるでしょうが、私はろうきんは間違いなくこれからの時代の先行モデルになり得ると思います。
行動を変える、関係を変える、自分たちの存在価値を高める、将来にわたって新潟ろうきんが地域で必要とされ続けるために、よりよいモデルを目指して変革にチャレンジしていきます。