勇気凛凛と声をあげる2018年に
新潟県退職者連合
会長 早川武男
元日の朝、たくさんの年賀状をいただきました。ほとんどが印刷やパソコンで作成されたものですが、お孫さんの成長や、病気快復の添え書きなどもあり、なんともほのぼのとした気分になります。
電電公社入社同期からの賀状に、「門松は冥土の旅の一里塚、めでたくもありめでたくもなし」と、一休禅師の歌が記されていました。私も、少年老い易く・・か、とうとう後期高齢者になります。ただ、知的素養が欠けているのか、なかなか同期のような淡々とした心境にはなれません。むしろ、年末始に高齢者専門の精神科医である和田秀樹先生著の「『高齢者差別』この愚かな社会」(詩想社新書)を読みかえし、静かにファイトしています。
和田先生、かつては安倍政権の同人紙と揶揄される産経新聞の「正論」のメンバーでした。その先生が
1.国の財政の不備が高齢者のせいにされるが――高齢者が増えすぎて福祉に金がかかるから若い人に金を回せないという――、国の膨大な借金は、高齢者がいまほど多くなかった時期から積みあがったものであり、主に公共事業によるものだ。
2.保育園の不足で働けない女性の話題は年中報じられるが(大事なことですが)、それよりはるかに多い数で、特別養護老人ホームに入居できないために、仕事を辞めざるを得ない女性のことは話題にしないのだ。
――など高齢者受難の事例を紹介し、「高齢者自らも声をあげなくては」と示唆されています。
2025年には団塊の世代が全員75才以上になり、医療・介護に関わる費用は膨大になると想定されています。しかし、安倍政権は抜本的な対策案を示さず、弥縫策のような部分見直しに終始、結果として、さまざまな負担が積み重なる大負担増時代を招来せしめています。
新潟県退職者連合は、「退職者および高齢者に係わる社会福祉の向上をはかる」ことを会活動の「目的」にしています。県レベルの取り組みに限りはありますが、2018年、和田先生のご示唆もふまえ、勇気凛凛と「目的」達成にむけ声をあげてまいりたいと思います。