人生残り少ない年齢になって、今思うこと

浅井 傳

 

 老人(後期高齢者)と呼ばれて、人生残り少ない年齢になったことに気付き情けない思いになります。まだ人生の就活を何もしていないことを考えたとき早急に対応しなければと思ったところです。

 しかしながら、現在介護施設に入所している母のことばかり考えてきたため、自分や妻の老後は考えることもありませんでした。母は現在99才、あと5ケ月で100才を迎える年齢となっています。

 平成28年1月まで肺炎が原因で13ケ月間入院していました。医者からは高齢なので短くて1ケ月、長くて6ケ月で死を迎えると言われましたが、母は食事も出来るようになり元気を取り戻し、介護施設に入所することができて1ケ月が経過し現在継続中です。

 今後一番心配されることは、毎月の10万円近い支払いがどこまで出来るか考えたとき、自分達の老後はどうなるのか、無事に最後を迎えられるかと心配です。人生最悪の状況に迫っているように思います。

 定年後健康で平均寿命くらいまでは生きたいと思い、農業を生きがいとして15年を経過しました。今後何年健康で続けることが出来るか不安です。農機具の購入で老後の資金はゼロになってしまいました。今後自分達の必要な医療介護の費用を考えると、生きることへの不安がいっぱいです。私より大変な人達が居られることと思います。生きることを忘れないようにしたいと思います。

 今後増加する高齢者、特に認知症の増加は介護施設不足や介護職員不足、そして入所者の支払い能力の問題、介護制度があっても制度を利用することが出来ない状況が考えられます。高齢者の介護疲れ等による自殺者が増加するのではと思われます。

 老後の必要経費1人3,000万円と言われています。考えただけでお先真っ暗になるのは私だけではないでしょう。今日の現状を考えたときなにをすべきか人生最後どんな死に方を考えるか、老人が詐欺で金をだまし取られていますが自分もだまされる程お金を持って見たいです。(表現が悪いでしょうか)

 残り少なくなった人生ですが、青年のような未来と夢を語ることは忘れてはいません。十代の若いとき先輩に「青年は未来を語る」「壮年は現実を語る」「老人は過去を語る」と教えられました。私は先のない老人ですが、まだ未来を語りながらいきています。人生どんな終末を迎え、どんな死に方をするか考えるのも未来だと思います。何故なら、世の中自分の思うようにはならないからです。