これからの労働運動と企業経営に参画について

安念 諫(UAゼンセン新潟顧問、友の会県支部長)

 今回の総会で連合新潟退職者連合の会計監査より幹事に就任しました。
 前回のコラムでは自己紹介と経歴など記載し、労働組合の役割と「信用・信頼」について記載、 今回は「労働運動と経営の機能について一部」記載します。

1、労働運動について
1) 労働運動の基本

・・・友愛と信義・お互いに論議し、決めたことはお互いに守ろう

2) 労働運動は企業と運命共同体の関係

① 生活の基盤は企業にあり、仕事を通じて世の中に貢献して喜びを味わっている。
② 労使の対決は、共通の土俵の上における同質の者同士の健康な措抗作用である。
③ 労使は決して天の敵ではなく、その対立は階級対立ではない。
④ 経営者と労働組合員。使用者と被用者という区分はしているが、労働組合員の中から能力が優れた者が責任と権限を与えられて管理者、経営者へと昇進していくのが通常であり、 労組は経営者を生む母体である

3)その企業における労使の永遠の存続と繁栄を念願する労使関係であること。

 

2、経営の五つの機能
1) 資本をその持ち主から預かる
2) 人の知能と技術を組織する
3) 組織された人の知能・技術と預かった資本とを結合させて価値を作り出す
4) 生産された物やサービスを流通段階に移して利潤を得る
5) 利潤の配分

 A、生産活動で得られた利潤は次の方向へ配分される
  ① 資本の株主に対し・・・配当、利子 (国民大衆からの預かり物)
  ② 従業員に対し・・・・・ 賃金、一時金 (賞与)、諸手当など
  ③ 国家や地方公共団体に対し・・租税公課 (国民経済に役立つよう運営)
  ④ 事業そのものに対し・・・・・ 蓄積には、主として
   ・資本の蓄積・・・新規設備投資や既存設備の近代化、更新のため。
   ・知能技術の蓄積・・・研究開発、市場調査等によるノウハウの蓄積 教育により人の資質向上を図るため。
   ・災害対する蓄積・・・災害の発生を未然に防ぐ、万が一発生した場合には被害を最小限にくい止め、かっ被害を自力復旧するための備え。
 B、配分の考え方
  ① 税金支払い後の利益を「資本」と「労働」と「事業内蓄積」とに、どのような割合で配分するのが最も適当かということに帰着する。利益は高下によって変動することが少ない安定した配分が第一の眼目とすべきであり、それを保障された上で向上を図るのが順序である。
  ② 株主にとっては安定配当、従業員にとっては雇用と賃金の安定向上のために極力これを事業内蓄積に回して企業の体質を強化しておくべきである。
  ③ 今、蓄積の多い企業は、海外投資家に目を付けられ配当アップが要求されている。

 C、経営はだれがするか
  全員経営、皆が権限と責任の大きさあるが経営の機能全般の認識、企業の公器。