お勧めできる事業になっていた

会長 早川 武男

 高齢ドライバーによる運転事故がニュースやワイドショーでよく取り上げられるが、私は何となく疑問に思っている。なぜなら、運転免許保有者の交通事故件数は、16歳~19歳の年齢層がずば抜けて多く、次が20歳~29歳。その次が80歳以上の高齢者である。70歳代でいえば他の年代とほぼ同じと把握していたからだ。

 もっとも、私は70歳ごろからバック運転が下手になった。リアカメラも取り付けたが、斜めになったり、駐車場の白線どおりにいかないことが多い。

 糟糠の妻?は私より若いがややひどい。「痘痕(あばた)も笑窪」に見えていたころから、よくこすり、よくぶつけていた。その筋の方の車と接触し往生したこともある。本人には言えないが運動神経が半端じゃないので、掛金はやや高くなるが車輛共済の加入をすすめていた。

 最近のことだ。彼女はバックで車庫入れをし、車止めを乗り越え後ろの壁にぶつけてしまった。彼女の愛車は、後ろ姿が美麗で有名なパリ・ノートルダム寺院のそれとは真逆な姿に変わり果てた。

 早速、全労済マイカー共済新潟損調サービスセンターに連絡し、その後、修理業者に修理を依頼した。ところが業者さんの担当者が、共済や保険のことについて不慣れなのか、損調センターが必要な問い合わせをしても、なかなか話が進まないと云うことが分かった。彼女は、これではいつになったら直るのか心配になり、再度、損調サービスセンターに代車などの扱いを含め相談した。担当の方は、とても親切でしかも適切なアドバイスをして下さったそうだ。彼女は満足気ないい顔になっていた。

 私は、2000年から4年ほど、単産共済の自動車共済を扱っていた全労済再共済連の役員に就いていたが、損調サービスに関し頭を悩ませていた。各地方の損害調査担当者も、一生懸命に仕事をされていたと思うが、「対応が遅い」「説明がわからない」「愛想が悪い、ぞんざいだ」等といった苦情を嫌というほど耳にしたのだ。

 単産共済の自動車共済事業は、2004年に全労済の「マイカー共済」に事業統合された。その後、全労済の役職員の皆さんが、サービス向上にむけ必死に努力をされたと聞いている。新潟損調サービスセンターの担当者も、そのような経験の中でスキルを磨かれたのではないか。むろん才覚のある方とお見受けする。

 ともあれ歳月は流れ、多くの方々にお勧めできる事業になっていた。

 妻の今回の自損事故は認知症によるものかは分からない。多分、運動神経の問題と思うが、今後、長岡市のあるお医者さんのご示唆――認知症で運転が問題になるさいは車庫入れでこするような兆候がある(7月13日・新潟日報『窓』欄 )――をふまえ静かに見守りたい。もしかしたら彼女も、私のバック運転を素知らぬ顔で凝視しているかも知れないが・・。

以上